12月13日 引き渡しが行われてから丁度一年がたちました。南さんの基本設計 パッシブ《太陽・風を操る》リフォーム を住まい手の立場でまとめてみようと思います。
◎太陽を操る
何日か前のことですが、それまで朝16℃を下回ることのなかった茶の間の室温が、14.6℃を計測しています。それも二日続いて…
外気温も4℃ぐらいあり氷点下まで下がったわけでもないのに???
今までは、前日の20時ごろの室温が16℃~18℃で、休むまでの2~3時間エアコンで室内を20℃まで暖めて休むと、開口部を三重(断熱雨戸・既存のアルミサッシュ・木製内窓)にした効果で、翌朝外気温が氷点下に下がらない限り、16℃を下回ることがなかったのです。
何気なくこのことを(お袋に)話をしたところ、お袋曰く
「この二日間 曇りで、日中陽が射さなかった」と…、
太陽の恵み に改めて驚愕です。
パッシブ《太陽・風を操る》リフォームの真髄をみた思いがしました。
冬 暖めた室内の熱は、冷たいところ(外へ)逃げて行きます。逃げてゆく熱量の約半分(48%)が開口部(窓)から逃げているといわれているので、この開口部をしっかり断熱することが、効率よくその効果を高めることになるわけです。
最近の新築工事では、アルミサッシュにLow-E複層ガラスを入れたもので、この効果を狙っています。
しかし、パッシブ《太陽・風を操る》リフォームでは、既存のアルミサッシュ(単板ガラス1枚)をそのままに、外に断熱雨戸、内に木製内窓を設置して、断熱をしました。
これは、Low-E複層ガラスを使用した場合、室内の熱を外に逃がさないけれど、冬場の低い日差しを室内の奥まで取り込み、暖める効果を奪ってしまうという 諸刃の剣 の側面があったからです。
◎窓の断熱の矛盾
晴れの日が続く関東の冬の天気では、日向ぼっこは最高です。陽が射している縁側にいると、暖房をする必要はありません。自然の恵みはエアコンの暖房の数十倍の快適さを与えてくれるのです。
でもLOW-E複層ガラスを採用した窓は、この太陽の恩恵を半減させてしまいます。
そのような窓の断熱の矛盾を解決しようと取り組んだのが、今回のパッシブ《太陽・風を操る》リフォームでした。
開口部を三重にして、それを開けることで太陽の恩恵を十二分に取り込み、そして閉めることで逃がさない。南雄三さんの設計の基本がそこにありました。
◎快適さは太陽の恵みとともに
簡単に言うと、自然とともに生活する ということになるのでしょうか…。
陽が射すと断熱雨戸をあけて、木製内窓を開けて、アルミサッシュの単板ガラス1枚で陽の光を部屋中に取り込んで、陽が陰ると内窓閉めて、雨戸を閉めて暖まった室内の温度を逃がさないようにして…
毎日こんなことをしているのも大変と思いますが、そんな生活を「楽しんでいる」母親がいて、快適な住空間がありました。
平成25年12月